私は悪くない。悪くないに決まっている。お前も何とか言ったらどうなんだ。
目の前にはナニかが転がっている。これはなんだ。においはない。手にはべっとりとついている。身体が熱い。色が少しずつはっきりとしてきた。ぼやけていた輪郭も鮮明になってきた。私は悪くない。
はぁはぁ…つらい、くるしい、イライラする、あああああっ!
そうやって自分の正義を押しつけてさぞ楽しかったろうなぁ!
もういい、どうせこのまま生き永らえたところで…。
運がいい、今日は豪雨だ。川に飛びこんで死んでしまおう。
―そのときだった。川上から大きなモノが流れてきた。
「…あれはなんだ?」