ネオ・桃太郎

ネオ・桃太郎 ~第4話~ 作者:まつい

激しく脈打つ桃に触れようとしたその瞬間、じさまは思い出した。

忘れもしない。
この波動は…ヤツだ。

七つの海を冒険していた若かりし頃のじさま
が、唯一恐怖を感じた相手。

その名はネオ・桃太郎

「こんなところで再会するとはな…」

今の衰えた自分に、ヤツの相手ができるだろうか。
震える手をなんとか制し、スマホでばさまに電話をかける。

「なぁに?じさま〜☆」
「ばさま!ヤツが!ヤツがあらわ……ブツッ」

じさまのスマホは、いつの間にか桃から生まれたネオ・桃太郎の手に握られていた。

鮮明に蘇るかつての恐怖。

今朝見たテレビの占いが頭をよぎる。
「今日のラッキーアイテムは桃!人生史上最高の1日になりそうです☆」

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